新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、株式市場は低迷している。そうした中、株の値下がりを買い時と考えて投資を始める人が多いという。今は投資の始めどきなのか、投資で気を付ける点はどこか、初心者向けの解説書『めざせ1000万円! 20代からの貯金と投資の鉄則』(小学館)を出しているファイナンシャルプランナーの横山光昭氏に聞いた。
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投資で後悔しないための3条件
今、株価が下落していますが、10年といった長いスパンで見れば回復する可能性が高いと思います。ですから、まだ投資を始めていない方にとっては始めるチャンスだと思います。ただ、投資を始めて後悔しないためには条件があります。
1つめは、こつこつと長期間にわたって購入していくことです。リーマン・ショックのときも株価が低迷し、回復するまでに4年くらいかかりました。この期間に世界分散型のインデックスファンドを毎月購入していたら、一時的には投資金額より大きく目減りしていたかもしれません。それでも株価が回復した4年後には、投資しないで預貯金にまわしていた場合と比べて40%を上回るほどの運用益が出たはずです。最低でもそれくらいの時間がかかると考えたほうがいいわけです。もちろん今回のコロナ・ショックの場合、4年後に回復しているとは限りませんし、40%上がると保証はできません。それでも積立投資は、長く続けてこそ成果が出やすい、ということは知っておいてください。
2つめは分散投資すること。先ほどインデックスファンドという言葉を出しましたが、「インデックス」は指数という意味で、インデックスファンドは日経平均株価やアメリカのS&P500といった株価指数に連動した投資信託のことです。この指数は数百、数千もの株式の平均みたいなものなので、インデックスファンドを買えば分散投資ができて、激しい値動きを抑える、つまりリスク(不確実性)を下げることができます。
たとえば『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』(楽天投信)というファンドがあります。これを毎月こつこつと買っていけば、日本を含めた全世界の多くの企業の株式に投資することになります。世界経済が回復すれば、基準価格も上昇するでしょう。他にもこうした全世界の株式に投資するインデックスファンドがあるので調べてみるとよいでしょう。
3つめは余剰資金を使って少額から始めること。投資を始めるにあたっては、余剰資金を使って少額で始めることが大切です。貯金がないのに投資だけを行うのはお勧めしません。
投資にはリスクがあります。買った後で値下がりする可能性だってあるわけです。何かの理由で勤め先が倒産したり、交通事故に遭ったりしたら現金(貯金)が必要になりますよね。貯金がなければ、まずは貯金だけしてもいいし、投資するにしても数千円くらいから始めればいいと思います。