その一方で、仮にEU離脱となっても、英国経済へのダメージはそれほど大きくないのではないか、と分析する。
「日本はプラザ合意の後、経済的に苦しみましたが、英国のEU離脱の場合は事情が異なるように思います。というのも、英国には『英連邦』と呼ばれた独特の経済圏があり、これらの国々との人的、経済的交流は活発に続いているため、EUを離脱しても案外、経済が低迷することはないのではないでしょうか。
また、意外かもしれませんが、英国と欧州大陸の国々との繋がりは日本人が思うほど深くはありません。彼ら英国民の気持ちの上では、欧州大陸との距離感は大西洋ほどの隔たりもあり、逆に米国大陸の方がドーバー海峡程度の近さを感じているようです」
これまでEUに加盟していながらも「ユーロ」を使わず、ポンドを利用してきた点からも、英国と欧州大陸との距離感はうかがえる。はたして国民投票でどんな審判が下されるのか、注視しておきたい。