新型コロナウイルスの感染で外出自粛などが広がり、さまざまな企業が打撃を受けるなか、人々の生活や消費の変化に合わせてビジネス戦略を変え始める業界も出てきている。経済評論家の加谷珪一さんは、アパレル業界に変化が生まれると指摘する。
「テレワークではスーツを着込むのも堅苦しく感じるようになり、フォーマルとカジュアルの中間の『ホームビズ』が求められるようになる。紳士服店などはすでに販売戦略を練っているはずです。さらに、不動産業界でも、テレワークやオンライン授業を受けるための個人の空間を確保した賃貸住宅などを設ける動きが出ています」
自宅で過ごす時間が長くなると視聴時間が増えるテレビにも変化が表れる。武蔵大学社会学部メディア社会学科教授の奥村信幸さんはこう話す。
「これまでバラエティー番組で主流だった、スタジオに『ガヤ芸人』を密集させトークやリアクションでまわしていくスタイルの番組は制作が難しくなり、下火にならざるを得ないでしょう。現場のカメラパーソンの数などが減り、よりシンプルな演出になっていくとすると、情報番組では出演者一人ひとりの教養や良識が、ドラマではより一層、俳優の演技力の差が問われることになると思います」
一時的な措置をとっても、いずれは本格的に経済活動を再開しなければならない。現在はビジネスでも旅行でも「海外渡航」のハードルは高い。どうすれば安心して人の往来の再開ができるのか――そこで注目されているのが「免疫証明書」だ。