健康意識が高い人ほど、病院にかかる以前に対策しようと手を出しがちなのが、サプリメントなどの健康食品や民間療法だ。
しかし、お金をかける以上、効果や効能が科学的に確かめられているものを選びたい。
加齢とともに悩まされがちな膝の痛み。関節の軟骨がすり減ることで生じるケースが多く、それらの症状の緩和に、軟骨の合成に関わる成分(グルコサミンやコンドロイチン)が含まれる健康食品を摂取する人は多い。商品によって価格はまちまちだが、1か月で約4000円が相場だ。
しかし、米国整形外科学会は、変形性膝関節症の症状緩和にそれらを使用しないほうがいいとする。
医療の無駄を自身のホームページで発信するレディースクリニック市ケ尾院長の高橋誠治医師もこう指摘する。
「グルコサミンやコンドロイチンを摂取しても、分解されて結局はタンパク質として吸収されてしまい、必ずしも関節で利用されるわけではありません。効き目については本当に有力なエビデンスがあるわけではない」
健康のためにと考えて、知らずに無駄なお金を払っていないか、あらためて見直してみたい。
※週刊ポスト2020年5月8・15日号