そんなBさんは大型画面に慣れると、「もうスマホには戻れない」と話す。部屋にWi-Fiを導入したことも大きかったという。
「一人暮らしで固定回線をひくのはもったいないと思っていたのですが、在宅勤務が背中を押してくれました。逆にスマホの通信料金がかなり減ったので、プランを変更。タブレットで動画や漫画を見るようになりましたが、スマホとは世界が違いますね。家にずっといる分にはもうタブレットでいい気がします。10万円の給付金で新しいスマホを買う予定でしたが、もう1台タブレットを買おうと思っているほどです」(Bさん)
一方で、自らの意志でスマホから距離を置いたというのは、20代の女性会社員・Cさんだ。
「コロナの関連情報が気になって、仕事中でも気が付けばスマホを手に取ってSNSばかり見てしまう。すると、どうしてもネガティブな情報に目が行ってしまい不安になります。また、自粛していない人の情報を見ると怒りがこみあがってくる。感情の浮き沈みが激しくなるので、できるだけスマホから距離を置いています」
仕事以外でも自宅にいることが多いいま、スマホをできるだけ見ないことで、メンタル面で変化が起きたとCさんは言う。
「これまでは食事中も、テレビを見ているときも、入浴中も、なんならトイレのときも、スマホを手にしていました。でもそれらを一切やめ、それぞれのことに集中することにしたら、不要な心配をすることもなく、何だか前向きになった気がします。スマホは便利ですが、私の場合、外出自粛で依存気味になり、“情報過多”になっていた。しばらくスマホとは距離を置き続けていこうと思います」(Cさん)
これまで四六時中スマホを手放せなかった人の中から、スマホ離れする人も現れている。コロナ禍の中で、人だけではなくスマホとの距離感も変化しつつあるようだ。