新型コロナウイルスの感染拡大によって一気に広がりを見せた在宅での「テレワーク」や「オンライン学習」。それらを支えるインターネット通信量の急増が、思わぬ混乱を招いている。
通信会社の調べなどによると、4月に入ってからの1日のネット通信量は、コロナ騒動が本格化する前の2月下旬に比べ、5~6割程度増えているという。そもそも国内全体の通信容量は「(もともと通信料が多かった)通常時の夜間の2倍程度まで耐えられる」とされているが、ネット利用が集中すると、ネットに接続する際に経由するプロバイダー(接続業者)やネットサービスを提供する企業のサーバが障害や接続しづらい状況に陥ってしまう場合もあるという。
都内に住む40代会社員・A氏は、共働きの妻(40代)、中学受験を目指す小学6年の長男、小学1年の長女の4人家族。緊急事態宣言によって家族4人が自宅で過ごすようになって3週間あまり経った4月下旬、こんな“悲劇”に見舞われた。
テレワークで午前中の仕事をひととおり終えたA氏が、お昼時にリビングで長女と「Amazonプライムビデオ」を見ていた。妻は夕方からのオンライン会議、長男も学習塾のオンライン授業に備え、それぞれ「Zoom」を立ち上げようとしていた矢先だった。
妻が突然、「Zoomが全然つながらない」と言い出した。
「ただでさえITに疎い妻のことだから、どうせ単純なミスをしているのだろう」と思ったA氏がパソコンの画面を見ると、ネット接続ができていない。