「ボーナス返済ゼロ」も
【3】ボーナス返済の見直し
勤め先の業績悪化で、今後ボーナスが大幅に減りそうな場合は、「ボーナス返済の見直し」を検討する必要があるだろう。
【1】と同様の条件で融資額2000万円のうち600万円をボーナス払いに充当している場合、月々の返済額は約5万4000円。ボーナス月に約14万円の返済になるが、ボーナス払い分をゼロにすることも可能だ。ただし、毎月の返済額が2万円以上アップするので注意が必要となる。
「ボーナス払いをやめると月々の支払いが増えるため、ローンそのものが払いきれなくなることがある。見直しに際しては返済月の変更や毎月分とボーナス分の内訳変更などもできるので、バランスを考えることが重要です。【1】の返済期間の延長と組み合わせて検討した方がいいでしょう」(同前)
そもそも住宅ローンの返済が“緊急事態”に見舞われているなら、これらの変更メニューとは別の方法もある、と丸山氏はアドバイスする。
「生活困難者を対象に無利子で最大20万円の融資が受けられる『緊急小口資金』と、最大60万円までの『総合支援資金』があり、これが受けられるようなら、住宅ローンの返済に回す考え方もあります。持ち家でも借りられますし、何より無利子だから返済方法の変更と違って利子分が増えない。窓口となる社会福祉協議会の審査はありますが、借りられるなら使ったほうがいいでしょう。1人10万円の『特別定額給付金』などもフル活用して、窮地をしのいでほしい」
どこにも相談しなければ、ここで紹介したような対策はいずれもとれない。返済が滞る前に、まずは金融機関などに相談することが最善策となる。
※週刊ポスト2020年5月22・29日号