さらに、加入している健康保険によっては高額療養費制度に上乗せして払い戻してくれる「付加給付」がある。
たとえば月収(標準報酬月額)が26万円以下の人は、高額療養費制度による自己負担限度額は5万7600円だが、さらに付加給付のある健保に加入していると、自己負担限度額が2万5000円といった水準まで減額されることが多い。付加給付があるのは大手企業などに多い健保組合に限られ、中小企業が加入する全国健康保険協会(協会けんぽ)や自営業者などが加入する国民健康保険にはないが、対象者は使わない手はないだろう。
また長期入院となり療養病床に入院した場合、65歳以上の人なら所得に応じて生活療養費(食費・居住費)が自己負担上限額までになる入院時生活療養費が適用される。
こうした多岐にわたる「医療費を払わずに済む仕組み」を把握し、使える制度・特例はすべて使っていくことが大切だ。
※週刊ポスト2020年5月22・29日号