新型コロナウイルスの感染拡大によって、「ある日突然死ぬリスク」「ある日突然入院して働けなくなるリスク」は、誰にでも起こりうることだとわかった。「もしも」のときを考えると、気がかりなのは残される家族の生活。
実際、このコロナ騒動が始まって以来、オンラインによる生命保険の申込件数が急増している。日本最大級の保険選びサイト「保険市場」では、3月の申込件数は前年同期比で82%増の1426件になったという。
世間の急激な関心の高まりを受けてか、生保各社はこぞって緊急事態対応を進め、ほぼすべての大手保険会社が最長6か月間の保険料支払いの猶予を発表。契約者貸付(契約する保険の解約返戻金の7~9割を借りられる制度)の返済金利もゼロにすると発表した。
生命保険会社勤務の経験を持つファイナンシャルプランナーの横川由理さんはこう指摘する。
「多くの保険会社の取り組みは、契約者の負担軽減策に見えますが、必ずしも“いまがお得”“入り時”というわけではありません。そもそも、支払猶予が必要なのであれば、それは明らかに“保険の入りすぎ”です」
たとえ保険料の支払いを半年先延ばしできても、最終的に払わなくてはいけないことに変わりはない。保険料の猶予に安心するよりむしろ、この機会に入っている保険そのものを見直した方がいい。