新型コロナウイルスの影響で収入が減ったことから、生命保険の解約を検討している人もいるかもしれない。いま加入している保険が、本当に必要な保険かどうかを見直すべき機会ともいえる。
「それでも最低限の死亡保険に入っておきたい」という人もいるはずだ。いまから入る保険を選ぶなら、何を基準にすればいいのだろう。生命保険会社勤務の経験を持つファイナンシャルプランナーの横川由理さんは「掛け捨てのなかで、安さで選ぶべき」と言う。
「子供がいる場合、現在の貯蓄に加え、夫が亡くなったときの遺族年金がどれくらいなのか、1か月にかかる生活費はいくらなのか、と収支を洗い出し、足りない分を最低限補えるようにすべき。死亡保険は“太く短く入るもの”であって、いつまでも頼りにしていては保険料がかさむ一方です」
「安い商品では、いざというときの保障も手薄なのではないか」と不安に思うかもしれない。しかし、そこには保険料の“カラクリ”が存在する。保険料の内訳は、保険会社が加入者に支払う保険金の元となる「純保険料」と、保険会社の経費や人件費などに使われる「付加保険料」に分かれているという。
「純保険料はどの保険会社も同じですが、付加保険料は各社が自由に決められるため、差が生じる。保険会社の広告費や販売手数料も付加保険料に入っています。その分の経費が上乗せされているので、“保険料が高いほど保障が手厚い”ということはありません」(ファイナンシャルプランナーの長尾義弘さん)
高い保険料を支払っても、保険会社の利益になるだけ。保障内容が同じなら、迷わず安いものを選ぼう。そのうえで、今回の新型コロナのような突然のリスクに備えるには、契約時に決めた期間内で月々15万~20万円など分割して保険金が受け取れる「収入保障保険」などの合理的な商品を選べばいい。