新型コロナによる企業業績への影響が少しずつ明らかになってきた。飲食店など多くの企業が営業自粛を要請される中で、売り上げが激減している業界が少なくない。
大企業の例を見てみると、任天堂のように、ゲームソフト『あつまれ どうぶつの森』が大ヒットするなど、予想外に“業績アップ”を遂げた企業もあれば、新車販売が落ち込んでリーマンショックを上回る大打撃となっているトヨタ自動車のように、足をすくわれてしまった企業もある。
だが、打撃を受けているのは広くビジネスを展開する大企業に限らない。
その一例が寺の僧侶たちだ。群馬県にある寺の住職は、「法要」という重要な“定期収入”が失われたと嘆く。
「うちの県は感染者も少なかったし、まだ緊急事態宣言も出ていなかったから、(3月下旬の)春のお彼岸の法要は普通にやるつもりだった。
ところが檀家さんから『まさか、この時期に法要なんてやらないでしょうね』という電話がジャンジャンかかってきて、仕方なく中止に。法事にも『来ないでください』とピシャッと言われて、日常的な収入はほぼゼロになってしまった」
密閉・密集・密接の「3密」を避けるという理由で読経を伴う通夜や葬式を行なわず、火葬場での直葬で済ませるケースも増えているため、御布施は激減したという。
※週刊ポスト2020年6月5日号