病院で処方箋を受けた際、薬そのものの値段である「薬剤料」は、もらう薬をジェネリック薬(後発医薬品)にすると大幅に軽減できる。銀座薬局の代表薬剤師・長澤育弘氏が指摘する。
「ジェネリック薬は、特許期間が切れた先発薬と同じ有効成分で作られた後発の医薬品です。薬効成分の研究開発費が不要なため、薬剤料は先発薬の2~7割ほど安くなります。
なかでも高血圧や糖尿病などの生活習慣病は長期にわたって薬を服用する必要があるため、値段が安いジェネリック薬の節約効果が大きくなります」
だが、知っておきたいのはジェネリック薬の安全性だ。先発薬と効果は同じでも、中身が全く同じというわけではない。
「先発薬と薬効成分や副作用は変わりませんが、添加物などが違うケースがあります。先発薬をジェネリックに変えたときに、添加剤によってアレルギーなどが生じる可能性があります。薬を変えた際には体調に注意を払い、異変を感じたら速やかに医師や薬剤師に相談することが大切です」(前出・長澤氏)
不安を感じる人には、「お試し調剤(分割調剤)」という手がある。
「複数の薬を飲んでいる人は、まず1種類の薬を1週間だけジェネリック薬にしてみて、問題がなければ徐々にジェネリック薬を増やしましょう」(前出・長澤氏)
医師や薬剤師と話し合い、飲み慣れた薬を変更するメリット・デメリットを確認した上で活用したい。
※週刊ポスト2020年6月5日号