本来であれば今頃は「五輪開幕まであと○○日」と盛り上がっていたはずだったが、新型コロナウイルス騒動により、街の景色は一変。外国人が街から消え、行き交う人々はマスクをするようになった。不要不急の外出は控えるよう要請される中、街に出ているだけでも“自粛警察”に白い目で見られるような状況だが、外出と移動が避けられない「二拠点生活者」は、このコロナ禍をどう過ごしているのか?
フリーランスの編集者・Yさん(40代男性)が二拠点生活を送るようになったのは3年前のこと。出版社を退職してフリーになったYさんは、都内で仕事を続けていたが、ある時から北関東のタウン誌の仕事も請け負うようになり、都内と北関東を頻繁に往復する生活になった。そこで、かねてより子供をのびのびと育てたいと思っていたYさんは、家族で北関東に引っ越すことを決断。都内にもアパートを借りて、二拠点生活がスタートした。
仕事はその後も順調だったが、コロナ禍では様々なことが変化したそうだ。Fさんはいう。
「仕事に関しては、基本リモートワークでしのいでいます。仕事で付き合いがある人はみな、私が二拠点生活をしていることを知っており、先方から進んでリモートワークを提案してくれるので、これといって問題は生じていません。移動は常に自腹なので、リモートになって交通費は削れますし、どうしても移動する必要に迫られた際も、特急は超ガラガラ。金券ショップのチケットは値崩れしていて、普段より大幅に安く買えるので、移動代も節約できています」