6月24日(金)、国民投票の結果、イギリスのEU離脱が決定した。これを受け、世界の株式市場は急落に見舞われたが、上海総合指数の下げ幅は相対的に小さかった。
例えば、24日のイギリスFTSE100は3.1%下落、ドイツDAX30は6.7%下落、フランスCAC40は8.0%下落した。そのほか、NYダウは3.4%下落、香港ハンセンは2.9%下落、日経225は7.9%下落した。一方、上海総合は1.3%下落にとどまっている。
日中足の動きをみると、前引け段階では1%安程度であったが、後場寄り直後には3%安程度まで売り込まれている。これは昼休み時間(日本時間12:30~14:00)に国民投票の結果が明らかになり、それを織り込んだということだろうが、その後は急回復している。
中国本土市場におけるEU離脱による売りは、ごく短い時間で終了しており、その規模も小さかったといえよう。
何故だろうか? 最大の要因は為替市場が安定していたからだと考えている。
24日の本土人民元対ドルレートの値動きを見ると、ドル高(人民元安)に振れているが、高値ベースで0.7%、終値ベースで0.6%のドル高に過ぎない。24日の基準値は前日の終値を僅かに上回る水準であった。ちなみに、制度上、基準値から±2%の変動幅が許される。この日の取引は値幅制限に対して十分余裕があり、本土為替市場は安定が保たれていたと言えよう。