コロナ禍によって社会が変化、アパレル業界ではフォーマル関連の市場が縮小し、不動産ではタワマンの付加価値の低下も指摘されている。各業界でこれまでのビジネスモデルが大きく変容しつつある。
メディア業界においても、テレビや映画など映像制作の現場でも“3密”を避け、リモート撮影・リモート出演・ウェブ配信が当たり前になっている。
象徴的だったのが4月13日放送の『月曜から夜ふかし』(日本テレビ系)。MCを務めるマツコ・デラックスと村上信五(関ジャニ∞)は姿を見せず、“声の出演”だけになったのだ。メディア文化評論家の碓井広義さんはこんな予想をする。
「『夜ふかし』は、スタジオに何人もタレントを集めなくても面白い番組が作れるという“パンドラの箱”を開けてしまった。これまでは定番だった、ひな壇芸人を集めてガヤガヤやるような番組は絶滅していくでしょうね。
5月4日から放送された完全リモート制作の『今だから、新作ドラマ作ってみました』(NHK総合ほか)は好評でした。制約があるからこそ、創意工夫によって既成概念を超えた新たな作品が生まれることに期待したい」(碓井さん・以下同)
では、映画館はどうなるか。
「やはり3密を避けるため、客席を3分の1にするなどの対策が必要になるでしょう。だからといって、入場料を3倍にするわけにもいかない」
オフィスやレストラン同様、映画館も都心は家賃が高い。Netflixなどの配信サービスの追い上げもある。映画館が都心から消える日も来るのかもしれない。
※女性セブン2020年6月11日号