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コロナ後は今までバカにされていた地味な趣味こそ“勝ち組”に

「黙々と畑仕事」といった趣味に楽しみを見出せるか(イメージ)

「黙々と畑仕事」といった趣味に楽しみを見出せるか(イメージ)

 定年後、夫が家でゴロゴロしていれば、妻に嫌な顔をされるだけ。それゆえリタイア後の男は、ゴルフやスポーツクラブに行って汗を流したり、カルチャースクールに通って友人を増やすなど「外に出るアクティブな趣味」を持つことが推奨されてきた。

 だが、コロナ後はむしろ、外で多くの人と交流する趣味はさまざまな制約を受けることになる。

 家族らの心配を考えれば、ゴルフはラウンド後の“19番ホール”を楽しむのが難しくなるし、スポーツクラブやカルチャースクールといった室内で不特定多数の人が集まる場に行くこともはばかられそうだ。

「家の外で大人数が集まる趣味に、家計から多くの交際費を出すなんて時代遅れ。これからはひとりで地味にやっていたような趣味が“勝ち組”になるでしょうね」

 そう話すのは、経済ジャーナリストの森永卓郎氏である。森永氏はミニカーのコレクターとして知られ、私設博物館まで開設しているほどだ。

「私は緊急事態宣言中も自分の趣味で忙しかった。博物館は閉めていましたが、その間に在庫を整理する時間ができたので、6月からは最高の展示ができます。加えて、4月の終わりには自宅近くに畑を借り、家庭菜園を始めました」(森永氏)

 畑は地元の農家の人に借り、広さは40坪。

「鍬とスコップ、草刈り用の鎌は買ったけど、苗とか種は畑を貸してくれている人がタダでくれたし、小型の耕運機なども貸してくれました。家庭菜園は基本的にはひとりで黙々とやるものだけど、助けが欲しい時には先輩方が教えてくれる。始めてまだ1か月ですが、二十日大根やキャベツはもう収穫しています」(森永氏)

 他人とのほどよい距離感が快適なのだという。

「カメラで好きな花や鳥、昆虫などの写真を撮影するとか、俳句を作るとか、オンラインで将棋や囲碁をやるとか、私のようにミニカーを集めるとか。ややもするとアクティブ系の人たちにバカにされてきたような趣味が、今後は見直されると思います」(森永氏)

※週刊ポスト2020年6月12・19日号

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