かつて“一億総中流”といわれた日本は今や、格差の拡大という深刻な問題を抱えている。投資情報会社「IMC」代表で、投資家の吉永賢一さんは、AI時代になるとさらに貧乏人の生活は追い込まれると予測する。
「コンビニ店員などの低賃金の仕事は、ロボットに取って代わられるでしょう。将来的には収入格差どころではなく、富裕層と貧困層が完全に別々に暮らすようになるかもしれない。すると、貧乏なことが“スタンダード”になり、ますます上を目指さなくなる」
AI時代に苦労しないためには、アルバイトなどで目先のお金を稼ごうとする姿勢ではいけない。金持ちは、決して「その場しのぎ」で働くことはないという。
「お金持ちは『ライフタイムバリュー』といって、目の前の仕事が一生でどれほどの価値を生むか考えている。10年後を見据えて働くので、残業するにしても、ただ単に時間を費やすのではなく、10年後にお金を稼ぐためのスキルアップになるのかを考える」(吉永さん)
趣味に関しても同様だ。富裕層の娯楽といえば「ゴルフ」が定番だが、ただスポーツを楽しんでいるわけではない。
「ゴルフを通して、自分と同じか、それ以上の階級の人とのコミュニケーションを楽しむ。そこには身体的にも情報的にも実益があり、将来性もあります。一方で貧乏人は、オンラインゲームで知らない相手とおしゃべりして満足してしまう。浅い人間関係では実益は低いはずです」(吉永さん)
SNSの使い方にも、その差は表れる。情報戦略のために金持ちの方がSNSへの執着が強そうに思うが、そうではない。
「不要に他人に絡まれることで、人づきあいに疲れることをお金持ちは避ける。SNS上の赤の他人より、家族の幸せと向き合います」(マネーカウンセラーでファイナンシャルインディペンデンス代表の田口智隆さん)