行く先は困難に思えるが、「ANAにはJALにない大胆さやスピード感、経営的強かさがある」と秀島氏はいう。
「たとえば儲けのない米ワシントン線を手放したJALに対し、ANAは儲からなくても米国の首都をカバーし続けるほうが得策と考え路線を維持した。JALが“官吏”なら、ANAは“商人”的な気質がある」
航空大手は2社必要なのか――両社広報部に聞くと、ANAは「その様な議論があるとの話を聞いたことがありません」と前置きした上で、「現時点では他社との関係よりも、自立的な経営を基本に市場で生き残ることが最も重要」と回答。
一方のJALは「議論があることは認識しています」と対照的な反応をした上で、「国内線と国際線で(それぞれ)2社あることが健全な競争環境を維持することになると考えています」とした。
アフターコロナの“日本の空”にどんな嵐が待ち受けているのか。
※週刊ポスト2020年6月12・19日号