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曽野綾子氏 「コロナ社会でも世間と同調するのは美しくない」【#コロナとどう暮らす】

 だから私は最近も、マスクをしません。それで外を歩けないわけではありませんし、白い目で見られても平気です。

 その代わり、それで自分が病気になっても他人さまのせいにはしません。自分で判断し、自由に生きたら、それでいいのです。

 それが私の人生ですからね。“異なる意見の人間がいる”ということを知らしめるために、私のような小説家がいるのですから。私の考えにしたって、他人から「あの人、変わっているわね」と悪意を持って言われるような立場をキープする方が、期待も干渉もされず、気が楽です。ちょっと違っているからといって、日本は投獄されるような国ではありませんし、税金が上がるわけでもありません。

 人の目を気にせず自由に生きれば、「違い」が生まれます。もちろん、同調することで生きやすくなるなら、それもいいですけれどね。人それぞれ、「違い」があるからこそ、人生は美しく、愉快なのです。

【プロフィール】その・あやこ/作家。東京生まれ。聖心女子大学在学中に同人誌『新思潮』に参加し、同人の三浦朱門さん(享年91)と結婚。宗教や戦争、社会問題などに対する鋭い洞察力をもって執筆活動を展開する一方、途上国への援助活動でも活躍。『老いの才覚』『人間の基本』『人間にとって成熟とは何か』など著書多数。

※女性セブン2020年6月18日号

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