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「がん」なのに「がん保険」が支払われないのはなぜか?

がんの「タイプ」によっては保険が給付されない

がんの「タイプ」によっては保険が給付されない

 がんは日本人の死亡原因のトップ。特に健康保険が適用されない高額な先進医療をカバーするため、がん保険への関心は高い。しかし、意外な落とし穴もあるという。

 人間ドックで腫瘍が見つかったAさん(60代男性)は、大腸ポリープの内視鏡治療を受けた。2日間の入院で、費用は約15万円。公的保険が適用されたため、支払った3割負担分の約4万5000円をカバーしようと保険を請求したところ、「『上皮内がん』のため、適用外」と言われ、驚いたという。

「これまで30年間、毎月2000円ずつ計70万円以上も支払ってきたのに……」(Aさん)

 ファイナンシャルプランナーの丸山晴美氏の解説。

「がんには『上皮内新生物』と『悪性新生物』があり、前者の場合は保険が払われないケースも多いのです」

 がんは腫瘍(ポリープ)の一種だが、発生した場所によって名称が異なる。がん細胞が臓器の表面を覆っている上皮内にとどまっていれば、その腫瘍は体の内部に浸潤せず、血管やリンパを通って転移することもない。この上皮内がんが死亡につながることはほとんどないため、保険が適用されない場合がある。

 一方、がん細胞が上皮の奥へ浸潤し、他の場所にも転移する悪性新生物の場合は「診断給付金」や治療にかかった分が保険金で支払われる。

「今では給付対象に上皮内がんを含む保険もありますが、がん保険がすべての治療や薬に対応しきれるとも言えないのです」(前出・丸山氏)

※週刊ポスト2020年7月3日号

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