もっと本質的な点を指摘すれば、日本の為替市場、株式市場は自由度が非常に高い。そのため、世界のビッグプレーヤーによる投資、投機行動が価格形成に大きな力を持っている。
為替レートや株価は日本経済の現状を表すと同時に、日本経済の先行きに影響を与える。これらは、景気に関する結果であり、原因である。極論すれば欧米のグローバル金融機関が日本経済を決める構造であると表現することも出来よう。
今、世界全体で、グローバリゼーションに対して、見直す動きが台頭し始めている。人、モノ、カネが国境を超え自由に移動することについて、制限を加えようといった動きが出ている。
イギリスのEU離脱はその典型である。
“決められたルールに基づかず、国境を越えてやってくる移民や、国内でテロ行為を繰り返す外国人は排除すべきである。アメリカ企業に利益をもたらさないばかりか、不利益となるTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)は見直すべきである。” このように主張するアメリカの大統領選・候補者トランプ氏は反グローバリゼーションの急先鋒とも言えよう。
そのほか、EU加盟国の中にも、反グローバリゼーションの火種はくすぶり続けている。