日本人の生活を一変させた新型コロナ。中でも大きかったのが「働き方」の変化だ。対面でのビジネスや接客が難しくなり、外回りが中心だった営業職も在宅勤務に。こうした変化はサラリーマンの収入にも影響をもたらした。
コロナ禍で新規営業が難しくなった生命保険会社だが、国内大手では比較的厚い補償がなされた。
日本生命では全営業社員が原則在宅勤務となったが、平均約9割の給与を支給した。第一生命も同様に在宅勤務を実施し、直近半年間の平均額の給与を補償した。国内生保の営業職員が語る。
「当社では、緊急事態宣言中は直近6か月の『基本給+歩合』が補償され、解除後は『基本給のみ』の補償となりました。これは地域によって異なるそうです。営業は新規開拓ができない間、すでに契約いただいているお客様に『コロナで大変ですがお変わりないですか?』と電話してケアしました。こんな時なので、プラン変更など営業色を強めると苦情につながるため、最大限の配慮をしていた」
生保業界では外資系のほうが深刻なようだ。国内大手生保OBのコンサルタントが明かす。
「外資系はフルコミッション(完全歩合)制なので基本給という概念がない企業が多い。そのため保険商品が売れない期間の給料は大幅減となります。その状況でもウェブでの営業で、好成績を収めた凄腕営業マンもいるようですが、多くの社員は収入が激減しています」
電機メーカーはどうか。パナソニックの40代社員が語る。
「私の世代は管理職で残業代もつかないので大きな影響はありませんでしたが、若手では残業代が減り、手取りが1~2割減った者もいた」
一方、日立製作所の広報担当はこう語る。
「当社ではみなし残業(裁量労働制)を導入する社員が多く、現状で給料が減額になったケースは把握していません。その他、ビルの補修業務など現場で作業する社員などには、コロナの3段階のリスクに応じて1日500~1000円を支給し、在宅勤務に必要な費用や出社する場合のマスクなどの補助として、1人あたり月3000円を支給しています」(広報部)