表情が分からない、声がくぐもってよく聞こえない……。マスクを着けてビジネスの会話する際は、会話のトーンやわずかな動きも相手への印象を変化させる。相手に好印象を与えるためにはどのような点に気をつければよいのだろうか。
複数人へ向けて話す会議やプレゼンなどの場でも好印象を与える極意がある。群馬テレビで長年報道番組のキャスターを務めた山部未里アナが解説する。
「マスクを着用すると自然と口の動きが小さくなり、声量が足りなくなる。会議室の全員に声を届ける際には、『あいうえお』の母音と、口の形を意識しましょう。その際はお腹から声を出すように意識すると良いです。アナウンサーの声がよく通るのは、この『あいうえお』を腹式呼吸で発声する訓練を繰り返しているからなんです」
「話す順番」も大切になるという。金沢ケーブルテレビ出身で数多くの情報番組でレポーターを務めてきた多賀祐子アナが語る。
「前置きをせず、結論を先に話すことをお勧めします。とくに“3密”の時間を極力短くしたいというのが会議出席者の共通認識でしょう。伝えるべき情報を端的に短く話すよう意識すると、自然とハキハキと話すようになる。結果的に、マスク越しでも伝わる会話術になるんです。
吉村知事や小池知事の会見を見ても、短く簡潔な言葉で結論から話していますよね。あれは社内外の会議でも有効だと思います」