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「カラオケ離れ」した人たちが思い返す“カラハラ”被害に遭った日々

 だからといって、『若いのによく知っているねー』みたいな、あのやりとりも苦手。クライアントや上司に気に入られるためには、勉強して練習しなくちゃダメ、みたいに言う人もいましたが、やる気なんてまったく出ませんでした」(Aさん)

女性社員を誘ってデュエットする意味は?

 こうした付き合いで行くカラオケを苦手に感じている人たちは、少なくないようだ。商社勤務の女性会社員・Bさん(20代)もその一人。

「2次会のカラオケに『歌わなくていいから』と言われて、付き合いだからと仕方なく行くと、ほぼ100%、『歌って』と曲を入れるタブレットが回ってきます。次に回しても、『まだ歌ってないよね?』と強要されることもしばしば。なんの義務なんでしょうか。完全に“カラハラ”だと思います」(Bさん)

 メーカー勤務の女性会社員・Cさん(30代)は、「カラオケは1人とか、気のおけない友人と2人とかで歌いに行くのは好き」としたうえで、やはり大人数でのカラオケに消極的だ。

「人が盛り上がっているのを、適当に手拍子で聞いているふりをしながら、隣の人と話すことになる。だったら、普通にお茶に行ったりしたほうがよっぽどちゃんと話せると思います。あと、2次会で皆が酔っ払ってるせいか、料理を頼んでもほとんど手を付けずに残っているのも、もったいないと思っていました」(Cさん)

 Cさんは、カラオケに大人数で行くスタンスについて「おじさんの文化」ではないかと分析する。

「カラオケは結局、誰かが歌っていれば“場が持つ”から、“みんなで何かをする”という時に、幹事的に楽なイベントなんだと思います。でもそれって、本当の意味でのコミュニケーションになっていませんよね? 女性社員を誘ったデュエットがコミュニケーションだとしたら、ただただ“寒い”。正直、最後に肩を組んで『サライ』とか歌うのも、ドン引きです。そんなことしなくても、社としての目標や目的があれば普通に団結して、仕事しますよ」(Cさん)

「カラオケ離れ」した何人かの声を聞く限り、カラオケそのものよりも、そこで生じる特有のコミュニケーションに嫌気やストレスを感じていたようだ。

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