1人10万円の「特別定額給付金」は、新型コロナ禍で苦しい家計の大きな支えとなったことだろう。だが、申請すればもらえる給付金や助成金は、今回の10万円に限った話ではない。ファイナンシャルプランナーの黒田尚子さんは「もっと給付金を活用すべき」と指摘する。
「たとえば、あまり周知されていない制度の1つに、ハローワークの『移転費』という就職支援制度があります。ハローワークを通じた就業により引っ越したとき、かかった費用の最大37万円が受け取れます」
支払った医療費が一定額を超える場合に受けられる「医療費控除」には、「旅行気分」で受けられるケースも。
「医師が作成した『温泉療養指示書』がある場合、施設までの往復の交通費、施設の利用料金などが所得税の医療費控除の対象となります」(黒田さん・以下同)
そのほか、「運動療法処方箋」があれば、スポーツジムやプールの利用料金が控除対象となる。
「地域によってさまざまな補助金があります。『Zaim』という家計簿アプリの『わたしの給付金』という機能では、住んでいる地域の助成金情報を一気に調べられます」
別表に主な「申請したらもらえるお金」をまとめたが、自宅をバリアフリー工事する際の「住宅特定改修特別税額控除」や、私立幼稚園に子供を入園させる際の「私立幼稚園就園奨励費補助金」など、ライフスタイルの変化に合わせて申請しておきたい税額控除や補助金は少なくない。
収入を増やす手段は働くことだけではない。こうした制度もきちんと活用したい。
※女性セブン2020年7月30日・8月6日号