マイナス金利政策の影響で、預金金利はすでに雀の涙。都市銀行では定期預金でも利率はわずか0.01%で、100万円を1年預けても利息はたったの100円だ。税金を差し引くと80円程度しか残らず、108円のATM手数料を1回でも払ってしまえば、まさにマイナス金利状態。減らしたくないお金をリスクのある株式投資につぎ込むわけにもいかないし、虎の子の置き場に悩む人も多いだろう。
あまり知られてはいないが、このご時世に0.7%もの高金利を実現している「金融商品」がある。普段の買い物として利用する人も多い「生協」の出資金制度だ。
生協というと、食品・日用品の宅配や、手頃な掛け金で利用できる共済などが人気の身近な存在である。地域ごとに数多くの生協があり、独自のサービスを展開している。最近はネットスーパーのような感覚で利用する人も多いかもしれないが、「生活共同組合」という名が示すように生協は一般の株式会社ではなく「組合」だ。
組合は組合員の出資金で運営されており、宅配や共済などを利用する際には1口1000円程度の各生協が定めた出資金を払って組合員になる必要がある。希望する人は組合員になってからも「増資」として追加の出資ができる。
この出資金をもとにした営業で剰余金が出ると、組合員に「配当」が支払われることになっている。この配当率が、預金金利を大きく上回る生協があるのだ。たとえば、食品宅配で人気のパルシステム東京では、2015年の配当率が0.7%と、なんと定期預金の70倍もの利率を達成しているのだ。