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免許はあるけど運転しない「ペーパードライバー」たちの言い分

都心の高すぎる駐車場問題

 30代の男性会社員・Bさんは、地方出身ということもあり、運転免許は“足”として「マスト」の認識だった。

「運転免許をとるのはいいとしても、親からも周囲からも『絶対にMT(マニュアル車)』と言われました。『MTしかないクルマもある。取得費用は数万円しか違わないのだから、“何かの時”のためにとっとけ』と言われましたが、その『何かの時』はいまだかつて来ていません。一体どういう時に役立つのかわからないまま、免許をとって20年が経ってしまいました」(Bさん)

「いまMT車を運転しろと言われても、絶対無理」とぼやくBさんだが、ATだとしても乗るつもりはないという。

「まず都心では、駐車場が高すぎる。僕の家の近くで、3万円もするんですよ! 田舎だと普通に部屋が借りられますよ。あと、駐禁パトロールもすごいみたいで、車を持とうという気になりません。さらに、渋滞がひどくて、電車のほうが確実で早い場合も多い。大きな買い物はネット通販だし、遠出をするのもバスや電車を使えば出先でお酒も飲める。少なくとも都心では、車はなくてもなんとかなります」(Bさん)

高齢者の暴走や煽り運転への恐怖も

 30代の男性会社員・Cさんは、東京出身。日常生活にあまり車の必要性を感じなかったが、大学4年時に就職先企業から「取っておくように」と言われたため、免許合宿で取得したという。

「営業職に配属されるはずだったのですが、フタを開けてみたらなぜか人事に配属されてしまい……。以後、使うことなく東京にずっといるため、ぜんぜん乗っていません。というよりもう乗れません。完全に身分証明書としてしか機能しておらず、堂々たるゴールド免許のペーパードライバーです」(Cさん)

 コロナ禍のいま、マイカー通勤を許可する企業も増え始めたなか、上司からは免許を持っているのに「もったいない」と言われるようになったというCさん。その度に気まずい思いをしてきたが、いい言い訳を見つけたと打ち明ける。

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