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横浜市「ディズニー級テーマパーク」計画に立ちはだかる交通課題の数々

米軍から2015年に返還された

米軍から2015年に返還された

鉄道を使うにしても微妙なアクセス

 そうなると頼りは鉄道でのアクセスですが、これまた微妙です。候補地の現在の最寄り駅である瀬谷駅(相鉄)からはかなり距離があり、仮に最も瀬谷駅寄りにパークの入口が出来たとしても、たっぷり20分は歩きます。そのため、瀬谷駅から新交通システムを建設するプランですが、玄関口となる瀬谷というのが、非常に微妙な場所にある駅。例えば渋谷から瀬谷に向かう場合、路線検索をすると、

・渋谷~(東急東横線)~横浜~(相鉄)~瀬谷
・渋谷~(湘南新宿ライン)~横浜~(相鉄)~瀬谷
・渋谷~(相鉄新横浜線)~瀬谷
・渋谷~(東急田園都市線)~中央林間~(小田急線)~大和~(相鉄)~瀬谷
・渋谷~(京王井の頭線)~下北沢~(小田急線)~大和~(相鉄)~瀬谷

と、いくつもの候補が登場しますし、新宿から向かう際も、湘南新宿ライン経由、小田急経由、相鉄新横浜線経由と、複数のルートが登場します。「どれに乗っても面倒くさい」という印象は否めないでしょう。近隣には、東急田園都市線の南町田グランベリーパーク駅、小田急の大和駅もありますが、相鉄のプロジェクトの集客に、東急や小田急が協力してくれるかどうかはまた別問題です。

 候補地では2027年に国際園芸博覧会の開催が計画されており、開発が進むのは既定路線のようです。相鉄は、首都圏の大手鉄道会社の中でも観光資源に乏しく、沿線のめぼしい観光スポットは、横浜駅周辺を除けば、動物園の『ズーラシア』ぐらい。昨年11月にJRとの乗り入れが始まり、攻勢をしかける相鉄にとって、テーマパーク建設は悲願ですが、乗り越えなくてはいけない問題は多く、事業を共に進める横浜市の舵取りが重要になってきそうです。

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