新型コロナウイルスの感染拡大を受け、多くの大学では授業をオンライン形式に切り替え、各イベントも自粛した。そのため、今年大学に入学した新入生たちは入学式もサークルの新歓活動もなく、現時点で一度も大学に通えていないというケースも多い。それでは友だちも作れず、学生生活は全く楽しめていないだろうと思いきや、意外にも実態は異なるようだ。大学の新入生に話を聞いてみた。
「毎日のように『大学で作った』友だちたちとお喋りを楽しんでいますよ」と語るのは都内の国立大学の新入生であるAさん。その友人の多くはSNS上で作ったという。
「入学前にTwitterで自分の通う予定の大学を明かしたら、大学名で検索をかけている同じ新入生たちからフォローされました。そこからTwitterでやり取りしていくうちに親交を深め、Zoomなどを繋ぎよくお喋りしています。少人数でならオフラインでも会っていますよ」(Aさん・以下同)
入学前から、新入生同士で繋がりを作っていたという。とはいえコロナ禍の前から、Twitterで入学前の新入生が繋がりを作ることは珍しくなかった。
例えばここ数年、毎年春にはSNSの「ハッシュタグ(#)」を利用して、「#春から早稲田」「#春から慶應」などと書き込むツイートが多数出てくる。そして、そこで知り合った同じ大学の新入生同士でSNSをフォローし合うのだ。大学に通って友だち作りが行えない今、このようなSNSの文化に新入生は助けられている。
また、Aさんはサークル活動にも勤しんでいるという。
「春には、オンライン上でサークルの説明会が行われていたので、興味を持った創作系のサークルに加入しました。チャットやZoomなどを通じて、サークルの先輩と話したり、創作活動を手伝ったりしています」