キャリア

コロナ禍の大学1年生たち 想定外の新生活とそれぞれの不安

新しい生活に夢を膨らませていた新入生たちが直面した現実は…

 新型コロナウイルスの感染拡大により、全国の大学では4月からオンライン講義がスタートしている。慣れない環境に、学生・教員ともに悲鳴の声をあげていたが、なかでも新生活に夢膨らませて、今年入学したばかりの大学1年生たちにとっては、想定外の3か月となったようだ。

 今年、関西の私立大学に入学した女子大生のAさんは、現在の心境をこのように語る。

「春から素敵なキャンパスライフが送れるとワクワクしていました。受験に合格した後は、母親と一緒にかわいい洋服や靴を買いに行き、クローゼットにキレイに並べていた。『春からこのお洋服が着れるんだ』、『これを着て新歓に行ったり、友達と遊びに行きたいな』と、見つめながらウキウキしていたんです。

 前期がすべてオンライン講義になり、大学にも入構禁止という連絡が来てからも、自分なりに頑張って過ごしてきました。でもクローゼットに入るたびに、ふと洋服や靴を見ると涙がボロボロ出てくるんです。母親には泣いているところを見せたくないので、自分の部屋で一人でひっそりと涙を流している。とくに梅雨に入ってからは精神的にキツくなってきました」(Aさん)

 思い描いていた新生活を送れず、不安を抱えている新入生は少なくない。今年、スポーツ推薦で都内の中堅私立大学に入学した男子学生Bさんは、こう語る。

「僕はスポーツ推薦で入学し、実家を離れて大学の寮で暮らしています。本来は学業と部活動に没頭できたはずですが、いまでは寮のなかでオンライン講義を続ける日々です。身体が鈍らないように、部屋で筋トレをしたり、時々ランニングをしたりしていますが、自分のスポーツは球技なので、数か月間ボールに触ることができないと、感覚が鈍ってしまうのではないかと不安です」(Bさん)

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