サークル活動も多くの大学で自粛とされているが、感染リスクの伴わないオンライン上での活動までは制限されていない。そのため、春にはオンライン上でサークル説明会や新歓が行われ、一定のサークルは新入生の獲得に成功した。オンラインでも活動出来るサークルでは、新入生も楽しめているようだ。
一度も大学に通えていない中で、これからの大学生活に不安はないのか尋ねると、
「Twitterで何とかなっているので人間関係にはさほど不安はないです。とはいえ、大学の授業などで会ったり出来ないのは寂しいですね。通常の大学生活が早く始まって欲しいですが、それがいつになるのか全く見通しが立たないことが一番の不安ですかね」
多くの大学が秋学期以降もオンライン授業を継続すると発表している。学生生活をそれなりに楽しんでいるとはいえ、いつまでこの状況が続くのか分からないのはやはり不安なようだ。
今の大学の新入生は大部分が2001年生まれだ。小学生の頃にはスマホやSNSがかなり普及していた、いわゆる「デジタルネイティブ世代」と言える。彼らはインターネット上で人間関係を作ることに上の世代より慣れている。
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、大学の新入生はとりわけ大きな影響を受けた。思っていた様な学生生活が始まらず、つらい思いをしている学生も多いだろう。しかし、インターネットに早くから触れてきた世代は、昔なら考えられない方法で学生生活を充実させている。コロナ禍を機にオンライン授業の普及を進めようという声もあるが、学生生活すらオンラインで可能になりつつある社会が来ているのかもしれない。
取材・文■茂木響平