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請求しないともらえない 夫の死後や離婚後にもらえる年金

 亡くなった夫が自営業だった場合は、要件を満たせば「遺族基礎年金」が妻の年金に加算されるが、これは原則18才未満の子供がいる妻だけが対象だ。ただし、子供がいなくても妻が受け取れる「寡婦年金」を忘れてはいけない。

 第1号被保険者として10年以上国民年金保険料を納めていた夫が基礎年金を受け取らずに亡くなった場合が対象だ。婚姻10年以上かつ夫に生計を維持されていた妻が60~65才までの間、夫が受け取るはずだった年金の4分の3が支給される。

「もしくは、12万~32万円までの『死亡一時金』を受け取ることもできます。最大で5年間支給される寡婦年金の方が、死亡一時金より金額が多いので、“すぐにまとまったお金が必要”というわけでなければ、寡婦年金を選ぶ方が賢明です。

 若くして夫を亡くし、まだ受給開始年齢に達していなくても、必要書類を年金事務所に提出しておけば、60才になってから寡婦年金を受給できる“予約”も可能です」

離婚した夫の年金も一部請求できる

 離婚した場合も、夫の年金を一部請求することができる。婚姻期間中に積み立てた夫婦の年金は“2人で築いた財産”。夫婦2人の年金額を分割して受け取ることができる。

「請求できるのは“夫の年金の半分”ではなく、“2人の合計額の半分”なので、勘違いしないようにしてください。たとえば、夫の厚生年金が200万円、妻の厚生年金が30万円とすると、夫の全受給額の半分=100万円が受け取れるわけではない。夫が独身時代に50万円の厚生年金を積み立てていたとすると、それを差し引いた150万円が婚姻中の分。

 これに結婚後に妻が働いて積み立てた30万円を合わせた180万円分が“2人の財産”なので、最大でもその半分=90万円ずつになります。たとえ夫の不貞で離婚した場合でも、分割の割合は変わりません。また、国民年金は分割の対象になりません」

 別れた夫の年金がいくら受け取れるかは、年金事務所に「年金分割のための情報提供請求書」を提出すると通知が来る。もし、自分の分だけを受け取るより額が多くなるなど、金額に納得がいけば、離婚成立から2年以内に振り込みの請求をする。情報提供請求書の提出は1人でもできるので、別れる前にこっそり確認しておくのもいいかもしれない。

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