住んでみたい街の理想と現実には、得てして大きな差があるものだ。憧れのあの街は果たして本当に素敵な街なのか? まったくノーマークだけど、実は住みやすい街は? 今回は「大山」(東京都板橋区)について、ライターの金子則男氏が解説する。
* * *
住まいを探す際に参考となるのが「人気ランキング」。「住みたい街ランキング」「穴場だと思う街ランキング」(SUUMO)、「本当に住みやすい街大賞」(アルヒ)、「住んで良かった街ランキング」(ライフルホームズ)、「街の住みここちランキング」(いい部屋ネット)など、多数のランキングがあり、切り口によって結果は当然違ってきますが、いずれのランキングでも“圏外”ながら、ぜひとも注目してもらいたいのが「大山」です。
いまや全世代から支持が厚いお笑いコンビ・サンドウィッチマンが下積み時代を過ごし、M-1優勝時には凱旋パレードも行ったという大山。このエピソードだけでも雰囲気の良さが伝わりますが、どんな街なのでしょうか。
鉄道は東武東上線のみ。各駅停車しか停まらず、地下鉄への乗り入れもしていませんが、池袋までわずか5分、150円です。都営三田線の板橋区役所前駅までは歩いて10分程度ですし、南側に住めば、東京メトロ有楽町線の千川や要町との併用も可能。家が駅から少々離れていても、池袋からのバス路線もあり、交通の便に不満を感じることは無いでしょう。ちなみに自転車なら、池袋まで10分程度です。
道路状況も概ね良好です。駅の南側に川越街道(国道254号)、さらに山手通り、環七(環状七号線)、中山道(国道17号)など、主要幹線道路にも近い上、首都高速の出入り口にも近く、車移動は便利。ただ、すぐ近くの熊野町交差点は都内ワーストクラスに事故が多い場所なので、運転には細心の注意を払う必要があります。また、駅前は車で行きやすい状況ではなく、その一帯で用事を済ませるには、徒歩ないしは自転車で行くのが賢明かもしれません。歩行者や自転車がとても多いので、歩道がない裏道の運転は要注意です。