普段からパソコン作業の多い高橋さんは、スマートフォンを電話メインで使用している。5年経過しているといっても、状態はかなり良く不便も感じていない。
「たしかに、普段は使わないもの(おサイフケータイ機能)にお金をかける必要はないですよね。夫の言うとおりだと思いました。手続きを子供たちにお願いしようかと思ったのですが、このために時間を割いてもらうのは申し訳ないし……。いったん諦めて、私が利用しているクレジットカード会社がパソコンから申請できるようになったら、紐付けしてみたいと思います」
高橋さんのように、マイナポイントの手続きで大変な思いをしている人は想像以上に多いようだ。特に、スマートフォンをあまり使わない人やネットに疎い層からすると、思わぬところにハードルの高さを感じているような気がする。
今回話を聞いた高橋さんは、既にICカードリーダーを所有していたためパソコンでの申請も視野に入れることができたが、多くの人がそこから準備を進めなくてはいけない。カードリーダーの購入には数千円の費用が掛かる。
もう一つの申し込み手段、「マイナポイント手続きスポット」の支援端末は役所の窓口や郵便局、銀行ATMやコンビニなど全国9万か所に用意されてはいるが、現地へ行ってテンポよく手続きを済ませることができる人ばかりではないはずだ。
“誰でも簡単”や“5000ポイント付与”といったポジティブな言葉ばかりが目立つマイナポイントだが、現実はそうではなさそうだ。