肉マネーは、3000円以上チャージすると1%のボーナスが付いて3030円分が利用となる仕組みとなっている。また、5000円以上チャージで2%のボーナス、1万円以上のチャージで3%のボーナスと、付与されるボーナスの割合が上がっていく形になっていた。さらに、毎月29日は「肉の日」として、チャージ時のボーナスが5倍となるサービスを実施。つまり、29日に1万円をチャージすれば、15%(1500円分)のボーナスが付与されていたのだ。
しかし、新型コロナウイルスの拡大に伴う休業・営業時間短縮に伴い、チャージした肉マネーを利用できる店舗が減少する事態になったため、「お客様に不利益を発生させてしまう可能性」があるとして、4月29日以降、肉の日のボーナス5倍サービスは中止されている。
「私がチャージするのは肉の日のみ。最低1万円をチャージしていました。でも、今年の4月以降は、いきなり!ステーキに行く頻度も減って、チャージもしていません。まだ、5000円くらい残っているので、とりあえずそれを消化しますが、もしも肉マネーがなくなって“肉の日”みたいなサービスもなくなるのなら、今後は行く頻度は減りそうです」(Aさん)
「肉マイレージ」のランクアップのハードルが高い
いきなり!ステーキでは「肉マイレージ」という会員サービスがある。食べたステーキの重さ(グラム数)がそのまま“マイレージ”として累積されていくもので、肉マイレージが3000gを超えると「ゴールドカード」、2万gを超えると「プラチナカード」、10万gを超えると「ダイヤモンドカード」となる。ランクごとに特典があり、当然ながらランクが上がれば特典も豪華になる。
そんな「肉マイレージ」が、経営面で“諸刃の剣”になっていたのではないかとの見方もある。小浦氏はこう分析する。
「肉マイレージが貯まっていくのが嬉しくて、何度も来店するというユーザーはたくさんいると思います。でも、ランクを上げるのはそう簡単ではありません。
ゴールドカードになるには3000g食べる必要があるので、たとえば1回300gを食べるなら、10回行かなくてはならない。月に1回行くとしても10か月かかるので、なかなか大変です。さらにプラチナカードになるにはその約7倍の量を食べる必要があるので、ハードルは上がる。さらにダイヤモンドカードともなれば、かなりの頻度で通っても、ランクアップまでの時間もかかる。結局、ゴールドカードになったくらいのところで、肉マイレージを貯めるのを挫折してしまうユーザーも多かったのではないでしょうか。
ハードルが高いからこそ価値があるとも言えますが、ハードルが高すぎて“これ以上無理だな”と思わせてしまった可能性もある。肉マイレージのランクが、もう少し細かく区切られていれば、『次のランクに上がるまでは通おう』というモチベーションにもなりやすい。この肉マイレージに、“客離れ”の要因があるかもしれません」