公益社団法人全国有料老人ホーム協会が毎年公募する『シルバー川柳』が今年20回目を迎えた。応募総数1万663句、昨年の約8800句を大幅に上回る盛況ぶりを見せている。
時代の縮図ともいえる『シルバー川柳』は2001年、全国有料老人ホーム協会の設立20周年を記念して募集をスタートした。
「第1回以来、毎年“高齢者にかかわること”という大まかなテーマのほかは、応募者の年齢制限も一切設けず、広く募集しています。そのため、高齢者の生活、心情が垣間見られるものや、若い人や子供から見た高齢者の姿など、いろいろな角度の高齢者が描かれています」
と言うのは同協会事業推進部の古川祥子さん。
今年の応募者最年長は106才(女性)、最年少11才(女子)、平均68.6才。男性6割女性4割の男女比は20年来変わらず、常連応募者も少なくないという。
「自虐や風刺など辛口のことも川柳ならサラリと言えて、みんなで笑えるところがいいですね。入選作品20の選考には協会会員施設の入居者のかたがたも参加。要介護状態で川柳が詠めない人も、読んで選ぶことで『シルバー川柳』にかかわっていただいています」(古川さん)
コロナ禍真っただ中の3~6月に募集したこともあり、新型コロナで揺さぶられた日々の生活を題材にした作品が多かった。〈ばあさんの手づくりマスク息できず〉という句で、見事入選した星野透さん(82才)はこう振り返る。
「一時マスクが街中から消えて大変でしたね。家内は洋裁が得意なので、マスクを手づくりしてみることにしたのです。それが “飛沫が散らないことが大事なんだ”と私が言ったものだから、少々ガーゼを重ねすぎたんですね。つけてみたら息ができない(笑い)。ちょうど『シルバー川柳』募集を新聞で見て応募しました。川柳はあまり考えちゃダメ。ふと思い浮かんだのが五七五になっているのが理想です」