「なぜあの時怒ってしまったんだろう……」「あんなにイライラしなければ良かった」──さまざまなストレスが蔓延する現代において、怒りの感情をコントロールするのは至難の業。そして、自らの怒り感情の伝え方も難しい。怒りの感情と上手に付き合うためには、どんな言葉に気を付ければ良いのか。アンガーマネジメントコンサルタントの川上淳子さんが解説する。
怒りを伝える「6W3H」
怒りを伝える際に注意したいのは、4種類の「NGワード」だという。
「【1】つい言いがちなのが、“何度も言ってるけど”“前もそうだった”という『過去を持ち出す言葉』です。相手は“なんでいまさらそんな話を持ち出すんだ”と反発し、どうしてほしいかがうまく伝わりません。
【2】また、“いつも”“絶対”という『決めつけ言葉』もよくない。“いつも服を脱ぎっぱなし”と言って怒ると、相手も感情的になり“いつもじゃない”と売り言葉に買い言葉になりかねません」(川上さん・以下同)
【3】ほかにも“なんで”“どうして”と責める言葉は、相手を追い詰めるだけで、自分のリクエストが相手に伝わらない。【4】“ちゃんと”“しっかり”といった「程度言葉」も、その塩梅が曖昧で相手との間に認識のズレが生じやすい。そのため、感情のすれ違いの原因になるそうだ。
「『相手にしてほしいこと』を充分に伝えるためには、『6W3H』を使うとよいでしょう。“いつ、どこで、誰が、誰に、何を、なぜ、どのようにするのか、どれだけするのか、いくらかかるのか”を明確にして伝えることが重要です」