「2040年には、私たちが消費する食肉製品の60%は植物由来の代替品か、培養された代替肉になる」。昨年、アメリカの大手コンサルティング会社ATカーニーはこう予測したが、日本でもその動きは加速度的に広まっている。人類の食生活を変える最新食材とは──。
熱々のご飯の上に、甘辛いタレが絶妙に絡みあった肉や玉ねぎがのる一杯のどんぶり。どう見ても牛丼にしか見えないが、実は牛肉は一切使われていない(写真)。
これは、目下、食品業界で“黒船”といわれている「フェイクミート」を使ったレトルト食品なのだ。
フェイクミートとは、大豆や小麦、エンドウ豆などを主原料として作った肉の代替食品のこと。この牛丼は、フェイクミート開発を手掛けるスタートアップ企業「ネクストミーツ」が世界で初めて商品化に成功した代替肉によるレトルト牛丼で、9月28日から発売される予定だ。
「ネクストミーツは、ハンバーガーや焼肉のカルビ、ハラミなどもフェイクミートで商品化し、“牛肉の味や食感にそっくりだ”“子供の夕食に出したら、肉ではないと気づかずに完食していました”などと消費者から評価を得ています」(フードライター)
最近、フェイクミートを使った商品の発売が相次いでいる。特に、コンビニ各社はしのぎを削って、フェイクミート商品を展開。7月にはローソンが大豆を主原料とする、大豆ミートを使用したから揚げを発売している。8月下旬にはセブン-イレブンが大豆ミートを使用したハンバーガーやロコモコ丼、キーマカレーのおにぎりなど8品を発売したばかりだ。