2019年の毎月の通信費は、2人以上世帯では平均13,591円。2019年の毎月の消費支出をみると平均293,379円なので、消費支出全体に対する通信費の割合は4.6%となります。この消費支出に対する通信費の割合について、改めて2000年からの推移をみてみると、
2000年3.0%(消費支出317,328円、通信費9,521円)
2019年4.6%(消費支出293,379円、通信費13,591円)
グラフでも、年を追うごとにパーセンテージがじわじわと高まっていることが確認できます。上述のように、子どもたちも含め、家族それぞれがスマートフォンを利用する昨今。近年は「格安スマホ」が登場するなどの動きはあるものの、20年前と比べると、消費支出に対する通信費の割合は増加傾向にある=家計全体を徐々に圧迫しているといえそうです。
コロナ禍による経済の冷え込みが懸念される昨今。もしもこの先、家計の所得が減少すれば、家計に占める通信費の割合がさらに高まり、そのぶん他の商品・サービスの消費にお金が回りにくくなる……という状況も考えられます。
新政権発足とともに、にわかに注目を集める携帯電話料金。今後の消費動向を考える上でも、どのような帰結を迎えるのか注意してみていきたいところです。
◆レポート/三矢正浩(博報堂生活総合研究所 上席研究員)
参考情報
〇総務省「家計調査」
参考URL https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/index.html
〇博報堂生活総合研究所「消費1万人調査」
調査地域 全国
調査期間 2019年5月28日~6月1日
調査対象者 15~69歳の男女10,000人(性年代・エリアの人口構成比で割付)
調査方法 インターネット調査
参考URL https://seikatsusoken.jp/shohi2019/10k-research/
〇博報堂生活総合研究所「子ども調査」
調査地域 首都40km圏
調査期間 2017年2月15日~3月21日
調査対象者 2017年3月31日時点で小学4年生~中学2年生に在学する男女800人
調査方法 訪問留置調査
参考URL https://seikatsusoken.jp/kodomo20/