美容や食、人生哲学など、こだわりを持つことは決して悪いことではないが、それを押しつけられたら、困ってしまうという人も多いはず。こだわりを人に押しつける人には傾向があると言うのは、芸能人の謝罪記者会見などを数多く仕切ってきた謝罪マスター・竹中功さんだ。
「彼らは根本的に自信がない。自分を支える芯がないんです。そのため、『コロナ禍では外出をしてはいけない』とか『男女は平等であるべきだ』など、わかりやすい既存の正義や善悪に便乗し、それをあたかも自分の意見のように振りかざすことでしか、人に意見を聞いてもらえないと、潜在的に思っているのです」
面倒なのは、彼らは自分の考えが正しいと思っており、あくまで善意で人に意見をしてくる点だ。しかし、悪気がないからといって、“身勝手なこだわり論”に耳を傾ける必要はない。彼らの多くは、他人の都合や考えを想像し、共感する力が欠けているケースが多く、人のためではなく、あくまでマウントを取りたいがため、つまり自分のために行動しているからだ。
「彼らが恐れているのは、“それがどうしたの?”と一蹴されること。つまり、面倒な人を撃退するには“鈍感力”と“スルーする力”をつけることが大切なんです」(竹中さん)
そこで、実際にあったケースと、その対処法を、竹中さんに聞いた。
【CASE】アンチエイジング女性のマウンティング
学生時代から仲のよかった直子(53才)。50才になって突然美容に目覚め、いまではいわゆる“美魔女”に。それまで、美容室は半年に1回、化粧なんてほとんどせず、見た目を構わなかったのに……。でも私、知っているんです。直子が豹変したのは17才年下の彼氏と不倫しているからだって。
最近では、突然呼び出されては、年下の彼とのノロケ話や、自分の若さを自慢してくるように。きれいになるための努力を怠らないのは正直すごいことなので、最初はおとなしく話を聞いていたのですが、そのうち、「いちばん効果を実感したから試してみて」と、1個3万円もする高級クリームをすすめてくるように。
もちろん私にはとても買えないけれど、教えてもらったというちょっとした負い目もあり、「ありがとう、使ってみるね」と、うっかり返事をしてしまったんです。