創業者・高田明氏の甲高い声と明るい笑顔で熱く商品を説明するスタイルで人気となった、ジャパネットたかた。5年前に長男・高田旭人社長(41)が跡を継ぎ、新たなスタイルで同社を牽引。2019年12月期の連結売上高は2076億円で過去最高となっている。2代目社長の経営方針を訊いた。
──売れ筋商品は何ですか?
高田:掃除機や炊飯器、エアコンは、高い競争力があると自負しています。特にエアコンなどの大型家電は設置サービスまで徹底的にやっています。近年では、パソコンはもちろん、年間約8万台販売しているスマホについても、お客様のご自宅にお届けした際、すぐ使えるように設定のサービスを行なっています。
最近は、ウォーターサーバーも人気がありますね。仕入れの規模が他社と比較しても大きく、1回の商談で一挙に30万台仕入れる商品もあるので、メーカーさんも我々を軸に据えた販売戦略を一緒に考えてくれます。
──テレビショッピングのイメージが強いが、インターネットの隆盛で販路は変わっている?
高田:売上比率はカタログや折り込みチラシなどの紙媒体が4割強、ラジオ通販が1割程度、残りをテレビ通販とネット通販で分けあうかたちとなっています。ただし、社員には“どこで売るか”ではなく、あくまで“何を売るか”が最優先だと話しています。
一般的にはカタログ販売は衰退しているイメージですが、当社では一番伸びているんです。紙のカタログは、当社で一度ご購入いただいた方が、リピーターとして使われることが多いからだと分析しています。カタログ販売が伸びることが一番重要だと、社長就任時から考えてきました。
──メインの顧客ターゲットはやはりシニア層?
高田:年齢というより、「自分の足で探し回るより、手間をかけずに良い商品を買いたい」と考える人のニーズに応えたいと思っています。
若い方はITリテラシーが高かったり、お目当ての商品をあちこち探して歩く元気もある。しかし、シニアの方はそうではない。自分であれこれ調べたり比較するよりも、「ジャパネットが勧めているのなら買う」と考えて下さる方は多いのかもしれません。