コロナで最も打撃を受けた業種の1つが飲食業界だ。ラーメンチェーン大手の幸楽苑ホールディングスは、5~7月に従業員の給料を20%カットして、夏のボーナスを支給しなかった。別の大手飲食チェーン店で働く40代男性社員が心境を語る。
「ここ最近になってようやくお客さんが戻りつつありますが、今年4月からの上半期の業績は大幅減です。まだ発表はありませんが、冬のボーナスに期待はできません。このままだと冬のボーナスで返済する予定だった15万円の車のローンが払えないかもしれない。ほかにも自動車税や駐車代のこともありますし、マイカーを手放すつもりです。
また、足腰が悪くなった父親との同居を昨年末から考えて、自宅をリフォームしようとしていたのですが、資金が足りず遠のきそうです。車も売る予定なので、面倒を見に行くにも往復で2万円もかかる。もうどうしたらいいのでしょうか」
長い低迷が続いたのち、インバウンド需要で息を吹き返したかに見えた百貨店業界だが、新型コロナで4~5月の売り上げが約7割減るなど大打撃を受けた。百貨店に出店する各業種にも余波は及ぶ。アパレル大手に勤める20代女性が指摘する。
「いまになっても百貨店の客足は戻りません。『3密』が問題になるから積極的にセールを実施できず、会社からは『冬のボーナスは諦めてくれ』と言われています。奨学金を返済しており、毎年2回、ボーナス払いをしていたので返済に不安が募ります」