夫の資産も把握しておくと財産分与の際に役に立つ。
「証拠を押さえたら、まずは別居して生活費となる婚姻費用を得ながら離婚手続きを進めましょう。民法第760条により、離婚成立までは、収入の多い方が少ない方に婚姻費用を支払う義務があるのです」(岸さん)
婚姻費用の支払い義務は、申し立てた月から発生する。ただし支払われるまでは数か月かかるため、当面の生活費は貯めておこう。
【豆知識】
◆疑問に思ったら即、専門家に相談を
配偶者や事実婚のパートナーなど、男女間における暴力を、ドメスティックバイオレンス(以下、DV)という。殴る、蹴るなどの身体的DVだけでなく、今回の事例のような暴言や、収入を教えず家計を厳しく管理するケース、性行為を強要するケースもDVに該当する。
DVについて相談したい場合は、「DV相談ナビ」(#8008)にかけてみよう。各都道府県の中核的な相談機関に自動的に転送される。場合によっては、所持金がなくてもシェルターなどを紹介してもらえ、一時避難も可能だ。
DVの被害者は「自分さえがまんすれば」と耐える傾向があるため、決断が遅れる。少しでも心当たりがあれば、役所のDV相談窓口など公的な機関に相談を。
※女性セブン2020年10月29日号