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「独身貴族」なんて夢のまた夢? 苦労を押し付けられる独身者たちの憂鬱

「独身貴族」とは程遠い独身者たちのリアル(イメージ)

「独身貴族」とは程遠い独身者たちのリアル(イメージ)

 結婚しない人が増えている。50歳時点で一度も結婚したことのない人の割合を示す「50歳時未婚率」の推移を見ると、1990年頃から割合が高くなり始め、2020年には男性で26.7%、女性で17.5%、2030年には男性で28%、女性で18.5%になる見通しだという。独身者は金銭的、時間的な自由がききやすいと考えられがちなため、世間からは「独身貴族」と呼ばれてきた。

 だが、本当に “貴族”の名にふさわしく、優雅に独身の「メリット」を享受できているのか。独身者たちの日々の暮らしからその価値観や生態を探った。

 30代の男性契約社員・Aさんは、開口一番「結婚は自由にお金が使えないからイヤ」とバッサリ。年収は300万円ほどだというが、「実家暮らしなので十分」と、自分の待遇には満足している。そんなAさんの趣味は、主にYouTubeの視聴だ。

「ゲームへの課金に入れ込んでいた時期もありましたが、今はVTuberの視聴と声優ウォッチング。VTuberに投げ銭は『無駄』みたいな風潮ありますけど、心から応援したいと思うと自然に月3万円はお布施できます。ゲームのガチャみたいに外れてイラつくことなく心穏やかにお金が使えるし、最近は声優もYouTubeを始める人がいて楽しい。事務所単位でしているところもあって、そこのアニメやゲーム、ライブなどを追っています」(Aさん)

 Aさんのように、気兼ねなく自分の趣味にお金と時間を投じていれば、まだ「独身貴族」と呼べなくもないかもしれないが、そもそも結婚自体を諦めている人も少なくない。

「よく、結婚相手に求める年収は500万円以上といわれるけど、僕は微妙に届かない」と話すのは30代の男性会社員・Bさんだ。スペックは年収350万円前後、身長は169cm、学歴は有名私大卒業。交際経験は人並みにあり、どこか人懐っこさもあるが、Bさんは「完全に負け組」と自虐的だ。

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