「年収がそれほど高くないので、都内で一人暮らしをしている限り、既婚者に比べて金銭的な余裕があるとは言えません。それに、独身だと、既婚者より残業などを押し付けられがち。家族や子供がいる人は、なにかと気を遣ってもらえても、独り者は“後回し”。でも、頑張って稼いで家族を養うくらいなら、このまま、そこそこ自分が楽しい生活でもいいかなと思い始めています」(Bさん)
40代の男性会社員・Cさんは国立大卒、身長175cm前後のやせ型で、40代には見えないほど若々しい。年収は平均ほどだという。
そんなCさんは「色々な女性と遊べなくなるから結婚は無理」と持論を述べ、「確かに自由はある」というが、既婚者と飲み会に行くと、最近「あれっ」と思うことがあるという。
「複数人と飲みに行った場合、既婚者よりも余分にお金を払う場面が多くなりました。『子供はお金がかかる』とか、『お小遣い制になって……』と、言外にプレッシャーをかけられます。正直『知らんがな』と言いたいとこですが、これが“独身税”なんでしょうか」(Cさん)
女性の場合はどうだろうか。30代の女性派遣社員・Dさんは、独身でも「自由もお金もない」と明かす。姉が病気になり、さらに親の介護も重なり苦しい状況に陥っている。
「私は3人きょうだいで、兄と姉がいます。兄は結婚して地方に在住。姉も結婚していますが、昨年ガンがみつかり、闘病中です。しかも私は年の離れた末っ子で、父が80歳手前になり、介護が必要になりました。
そうなると、家族の中でいちばん『ヒマ』で自由がきき、体力がありそうなのが私。姉の看病も父の介護も両方する羽目になっています。姉も妹のほうが頼りやすいようですし、母にとっても、一緒に父の介護をするなら娘のほうがありがたい、と考えているようです。しかも、私に断る理由もない。自由なんてほとんどありませんし、お金もカツカツ。貴族なんてとんでもない話です」(Dさん)
本当に優雅な「独身貴族」生活を謳歌している人は、それほど多くないようだ。