妹を救う──目的がシンプルなだけに、“自分探し”は必要なく、自分の生き方に圧倒的な自信が持てるのだ。
「70~80年前までは日本でも、生まれた場所や家柄、家業で、誰と結婚してどのような人生を送るのかがほぼ決まっていました。窮屈な人生の一方で、“自分探し”の必要はなかった。
現代日本は一人ひとりが自由に生き、自己実現するのが理想とされるようになりました。それ自体はいいことですが、人生の選択肢があまりに多様なため、『自分らしさ』を見つけることが難しく、つまずく人が非常に多い。自己責任の“自分探し”が大きなプレッシャーになっています。
そうした“自分探し”に疲れた若い人たちが、わかりやすい『自分らしさ』を生きる主人公に憧れを抱くのではないか」(橘さん)
※女性セブン2020年11月5・12日号