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年金受給の繰り上げ・繰り下げ、寿命ではなく「平均余命」で判断を

老後の生活資金、毎月これだけかかる!

老後の生活資金、毎月これだけかかる!

 それなら、できる限り正確に「自分がいつまで生きるのか」を想定し、年金の損をなくしたいところ。平均寿命は男性81.4才、女性87.5才と年々伸びているが、「平均余命」で考えると、さらに長生きする可能性は高まるという。

「平均余命とは“◯才まで生きた人があと何年生きるか”というもの。60才まで生きた女性はあと29.2年、89才まで生きると考えられます。平均余命で見ると、60才まで生きた人は平均寿命より長生きする人が多い。60才の女性が仮に75才まで繰り下げても、受給開始から14年は生きると想定でき、得する計算になる。つまり、女性は繰り下げた方が、より得になりやすいといえます」

 生命保険文化センター「生活保障に関する調査」によると、老後に必要な“最低限の”生活費は平均22万円。だからといって、“それなら、老後の備えは月に22万円で充分”と考えるのは大間違い。

 老後は教養・娯楽費、交際費など“最低限”以外のお金がかさむ。総務省「家計調査報告」によれば、60才以上の夫婦が実際にかかった生活資金の平均は約27万円にのぼるという。年金博士は次のように言う。

「年齢が上がるにつれて、娯楽費や交際費なども減っていきます。月々にかかるお金は次第に27万円より少なくなるでしょう。75才を過ぎると健康なままでいられないことも増えていきます。我慢して受給時期を繰り下げ、年金を増やしても、もらい始めたときに満足に使えなくては意味がありません。自立して生活できる『健康寿命』を目安に受け取り方を選ぶ考え方もあるでしょう」

■年金博士こと北村庄吾氏による動画解説はYouTube「週刊人事労務チャンネル」内にて公開中。
【北村先生】女性セブン×週刊人事労務チャンネルコラボ企画その1 年金博士 北村庄吾の年金ズバリ解説「5分でわかる老後≒年金世帯の生活費」
【北村先生】女性セブン×週刊人事労務チャンネルコラボ企画その2 年金博士 北村庄吾の年金ズバリ解説「繰上げと繰下げ」

※女性セブン2020年11月5・12日号

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