──デルモンテや伊藤園などから競合商品も数多く出ています。どう差別化していく?
山口:やはり健康面へのアピールでしょう。たとえば当社のトマトジュースは発売開始からもうすぐ90年経つロングセラーですが、今も売り上げが伸び続けています。
特に近年の好調の理由は、機能性表示食品として、トマトに含まれるリコピンの「善玉コレステロールを増やす」機能とGABA(ガンマアミノ酪酸)の「高めの血圧を下げる」機能をパッケージに表示したことです。それをきっかけに、トマトジュースを健康習慣として日頃から飲んでいただく方が増えてうれしく思っています。
最近では「野菜生活100」ブランドで初めての機能性表示食品となる「野菜生活100 Care+」を発売しました。「肌の潤いを守る」機能を表示した商品と、「体を温かく保つ」機能を表示した商品の2種類があります。こちらも力を入れています。
──そんな中で、「トマトから野菜の会社への脱皮」を掲げた理由は?
山口:日本人の野菜摂取量を増やすためです。当社は重要な経営課題として「健康寿命の延伸」を設定しており、これを野菜の力で解決したいと考えております。健康のためには1日350gの野菜摂取が必要とされておりますが、この10年間、日本人の摂取量はずっと290gにとどまっている。まずこの状況を改善していかなければなりません。
国内でアンケート調査をすると、1日350gの野菜摂取が必要と認識している人はわずか16%しかいません。また野菜が不足している方の約8割は、野菜不足を自覚していないことも分かりました。
そこで当社は今年1月から「野菜をとろう あと60g」をスローガンとした野菜摂取促進活動を始めました。活動のポイントは、まず野菜不足を自覚して頂くこと。当社がドイツの企業と共同開発した野菜摂取量推定機「ベジチェック」を使えば、数十秒で野菜が足りているか確認できます。
さらに、野菜をとる大切さをご説明したり、おいしく、上手に野菜をとる方法をご提案する活動も行なっていきます。