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カゴメ社長「トマトから野菜の会社への脱皮」を掲げた理由

新製品の「野菜生活100 Care+」

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“ファン株主”を重視

──カゴメと言えば個人株主が多く、全体の99.5%を占めています。

山口:当社が個人株主の獲得拡大を目指したのは2001年からでした。株主優待などを強化した結果、2001年に6500人ほどだった株主数は今では約19万人です。

 個人株主の方々は、そうでない方と比べて当社の商品を10倍以上多く買って頂いているんです。我々は“ファン株主”と呼んでいますが、そういった方々の意見を何より大事にしたいと考えています。

──具体的には?

山口:株主総会でのコミュニケーションだけでなく、前社長(現・寺田直行会長)の時代からは、年に4回、1回あたり10名ほどの個人株主をお迎えし、最近の活動をご説明したり、参加した株主様のご質問に直接お答えしています。また新商品についても忌憚のないご意見を伺っており、そこでのご指摘は商品改良の参考にしています。

 加えて株主の方々には、野菜の重要性、魅力を広めるお手伝いもお願いしています。カゴメオリジナルの野菜検定を作り、合格された方を“カゴメ株主野菜アンバサダー”に認定しました。2500名ほどの株主の方が検定試験を受け、合格されています。野菜を「仕方なく摂るもの」から「楽しく摂るもの」に変えていきたいですね。

【プロフィール】
山口聡(やまぐち・さとし)/1960年、静岡県生まれ。東北大学農学部卒業後、1983年カゴメ入社。2010年執行役員業務用事業本部長、2015年執行役員イノベーション本部長、2018年執行役員野菜事業本部長兼ベジタブル・ソリューション部長。2019年取締役常務執行役員を経て2020年から代表取締役社長に就任。

【聞き手】
河野圭祐(かわの・けいすけ)/1963年、静岡県生まれ。経済誌編集長を経て、2018年4月よりフリーとして活動。流通、食品、ホテル、不動産など幅広く取材。

※週刊ポスト2020年11月6・13日号

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