「繰り上げ」の場合
受給開始時期を1か月早めるごとに0.4%の減額になるので、「65才受給開始で受け取る月額(A)(B))×(1+前倒しする月数×0.004)」が受給額になる。
例えば、年金を65才で月額15.4万円受け取る人が5年(=60か月)繰り上げて60才からもらい始める場合、「15.4万円×(1-60×0.004)=約11.7万円」の受給額となる。
「繰り下げ」の場合
受給開始時期を1か月遅らせるごとに0.7%の増額になるので、「65才受給開始で受け取る月額(A)(B)×(1+後ろ倒しする月数×0.007)」が受給額になる。
65才で月額15.4万円受け取る人が10年(=120か月)繰り下げて75才からもらい始める場合、「15.4万円×(1+120×0.007)=約28.3万円」の受給額となる。
チェックシートの各枠に書かれた計算式に当てはめれば、受給額は一発で求められる。60才から75才までの各枠に金額を書き込み、自分たちの老後の生活プランに見合う金額かの参考にしよう。
「繰り上げの場合、老齢基礎年金と老齢厚生年金を同時に繰り上げる必要があります。“とにかく早くもらっておきたいから”と焦らず、慎重に検討してください。繰り下げの場合、最低1年は繰り下げないといけません。つまり、繰り下げ受給できるのは早くても66才以降。繰り上げと違い、老齢基礎年金と老齢厚生年金は別々に繰り下げることも可能です」(北村さん)
自分の年金額と老後の生活プランとを照らし合わせたうえで、「繰り上げ」「繰り下げ」のメリット・デメリットを加味して検討してほしい。
■年金博士こと北村庄吾氏による動画解説はYouTube「週刊人事労務チャンネル」内にて公開中。
※女性セブン2020年11月5・12日号